まっつのブログって名前、氾濫しすぎだろ!

いまだ「男の子」を抜け出せない大学生のブログ。

いつでもどこでも/Slowdive『Slowdive』

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 鳴っているのに鳴っていない音楽は確かにある。それはアンビエントなんて呼び方をされることもある。新しく音が鳴る=違和感以外の何物でもないワケで、何らかの感覚を呼び起こして然るべきだ。しかし、そうならない音楽の存在もまた同様に確からしい。

 2014年に再結成を果たしたバンドの22年ぶりの新作。解散後も評価が高まり、今作はバンド史上最高位である全英16位、全米50位をマークしている。

 シューゲイザー。ノイズとエコーがかかった甘いメロディを持つ音楽の名であり、Slowdiveに冠されたジャンルの名でもある。その特徴からして主張しないように努める音楽ではないし、本作のどの音を聴いてみても投げやりな感じはしない。これまでの作品より丁寧に爪弾かれるリードギターも、背後でうっすらと、だが確かに鳴るバッキングのフィードバック・ノイズもそれ自体はとても尖ったものだし、丁寧に鳴らされている。しかし本作のバランスはどうだ。周囲がどんな環境でもネガティヴな干渉を一切しない溶け込み方はなんだ。ただの環境音とも違う、しっかりと実像を持ちながらもフィールドを限定しないバランス。桃源郷でも奈落でもそこらの街角でもいいが、本作は確かに「風景」を描いている。