Gus Dapperton『Where Polly People Go to Read』

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やりたいことがある、からこその金太郎飴

 

 アメリカ、ニューヨーク出身のシンガーソングライターによる初のフルアルバム。

 


 歌はもちろん、作曲、演奏、エンジニアリング、ミキシング、マスタリング、果てはMVの監督までも手がける彼。アメリカのメインストリームになったヒップホップが個人主義を謳いながらも楽曲面では共作志向を強めるなか、それに逆行するようにほとんどを一手に担うあたり、ビジョンが明確にあるのでしょう。必然的に、アルバムにも統一感が生まれます。
 サウンドとしては、ポコポコしたリズムとビロードのように淡く煌めくシンセの音色が特徴的なシンセポップ。ゼロ年代テン年代初頭のインディポップ、ドリームポップ、チルウェイヴあたりとの共振も感じさせます。しかし歌はというと所々パンキッシュにがなる場面があって、特にアルバム前半ではそれが良い違和感になっています。ただそうした特徴を差し引いても、いささか楽曲のバリエーションに乏しい気がします。イントロのアコギが雰囲気を牽引するM8のような変化球がもう少し多ければ印象が変わったかも。個人的には全10曲33分というタイトを以ってしても退屈に感じてしまいました。ハマる人はハマるけど、といったラインだと思います。