YAJICO GIRL『インドア』

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ジャケをよく見てハッとした

 

 大阪出身の5人組バンドによる、1年11ヶ月ぶり3枚目のフルアルバム。

 『マジックディスク』『Blonde』『ストレンジャーシングス』『君の名前で僕を呼んで』……。ジャケット中央の人影に紛れるフレーズを一通り読み解いた時、あまりの屈託なさに思わず笑ってしまいました。今作もジャケット同様、いまこの瞬間に心惹かれているであろう音像が素直に反映されています。
 前作『沈百景』のギターロック色は大きく後退。その代わりヒップホップやインディR&B、トラップが混ざり合った現行USシーンと歩を揃えるサウンドアプローチに。それまでの方向性から大きく舵を切る様は出自含め、Galileo Galilei〜BBHFに近いものを感じます。
 歌詞には不穏や厭世が垣間見えるものの、基本的には日常を慈しむ雰囲気。特に、静かにきらめくトラックと相まって希望を感じさせるM1はいきなりの白眉でしょう。描写自体は直接的で、垢抜けてもいません。しかしむしろその垢抜けなさが、別にアーバンでもなんでもない素朴で無機質な都市をくっきり浮かび上がらせていて、とても良いバランスだと感じました。この方向性のまま、もう少しボリュームのある作品も聴きたいです。