パブリック娘。『Aquanaut Holiday』

f:id:HugAllMyF0128:20190821232936j:plain

 

 何も戻らずとも人生は続いていく

 

 

 3人組ラップユニットによる、3年ぶり2枚目のフルアルバム。


 MCバトルを中心に国内でもヒップホップが盛り上がりを見せ、同世代であるchelmicoやJABBA DA FOOTBALL CLUBがメジャーに殴り込みをかける中、そうした喧噪から意識的に距離を置くかのように沈黙を続けていたパブリック娘。。前作から少し間が空いて届けられた本作にもどこか、取り残された者だけが持ち得る諦念が映っています。
 近未来のゲーム機(?)が巻き起こした喜劇と悲劇を観察者の視点から眺めたM2、〈もうこの世にはプール開きも終業式もありゃしねえ〉とシャウトするM3、〈本当にみんないたっけ?〉と他者の存在を疑いだすM7。リリックを部分的に抜き出せば、世界の終わりに1人彷徨っているようですらあります。トラックも深い残響を湛えたギターやシンセのフレーズが多く、どこか世間とは乖離した雰囲気。トンデモなワンテーマで突き進む楽曲やナンセンスな言葉選びも健在ですが、そのユーモアの裏に『誰もが等しく孤独に生きていく』という諦めが立ち上がってくるようでした。子供でいられなくなり、青春だって続いちゃくれない。そんな僕らのための切迫感に満ちた1枚。

  

 

あわせて読みたい

 

hugallmyf0128.hatenablog.com