The Heavy『Sons』

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今、街鳴りすべきソウルミュージック

 

 

 イギリスで結成された4人組バンドによる、3年1ヶ月ぶり5枚目のフルアルバム。


 ヴォーカルのKelvin Swabyは今作の製作において、Beastie BoysA Tribe Called Questなどのヒップホップが影響源となっていることを明かしていました。ビートの強さやリリックの現代性において、本作ではそれをしっかりフィードバックしていると思います。
 現在は各メンバーが離れた場所で生活しているせいもあるのでしょう。空間をパッケージングしてソウルフルさを出していた過去作と異なり、個々の音を粒立たせるプロダクションへ変化。BPMがこれまでより若干速めなことも手伝い、全ての楽器が鋭角に刺さります。特にM1やM9(Led Zeppelinを彷彿させる曲名にニヤけました)のホーン隊は凶暴なほど。一方、リリックは相変わらず聴き手を鼓舞する内容が多いですが〈呪詛なんて口に出さなくても俺たちはうまくやっていけるってわかってる〉と放つM3にはヘイト渦巻くこの時代が反映されているようにも感じたり。前作までのふくよかな鳴りが少し恋しくもありますが、今にフィットする音楽や言葉を模索する姿勢は素晴らしいと思います。