Whitney『Forever Turned Around』

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足りないものなど何もない

 

 

 アメリカ、イリノイ州シカゴの2人組インディロックバンドによる、2年9ヶ月ぶり2枚目のフルアルバム。


 前作よりもホーンに全体を委ねる楽曲が多くなったでしょうか。と言ってもファンファーレよろしく豪快に吹き鳴らすのではなく、他の楽器を引っ込めることでバランスを変化させた感じ。カントリーを基調としたアコースティックギターのフレーズを包み込むようにトランペットなどが展開し、とても心地良いバロック・ポップが形成されています。控えめで品の良いミックスは聞いたことがあるようでない響きで、古臭さはありません。そんな音像からはどことなく、秋の終わりに落葉し始める光景が浮かびます。
 10曲32分。前作に引き続き非常にタイト。バランスこそ違えど、用いられる楽器の構成にもソングライティングにもファルセットを用いた歌唱法にも大きな変化はありません。ただ、それで必要条件も十分条件も満たしているんだろうな、と思わせてくれます。行き過ぎた華やかさも沈痛な面持ちも必要ない。大げさな賛辞も批判もいらない。平熱のままただただ寄り添うように展開する全ての音が、「ほとんどの物は変わっていくし終わりだってあるけど、永遠も確かにここにあるよ」と静かに語りかけてくるアルバム。