Post Malone『Hollywood's Bleeding』

f:id:HugAllMyF0128:20190913235630j:plain

 

「離れられないもの」への執着、もしくは狂気

 

 

 アメリカ、ニューヨーク州出身のミュージシャンによる1年4ヶ月ぶり3枚目のフルアルバム。


 どこにいたってちょっとずつ居心地が悪いんだろうな、とPost Maloneの作風や発言を聞くにつけ思います。そのモラトリアムっぷりや思春期性こそが彼が求められる理由なのかもと思うとあまりの救われなさに世知辛さを覚えますが、今作でもそうした所在無さは随所に顔を出していて。
 〈血を流してるハリウッドのことを俺たちは故郷と呼ぶ〉と宣言するM1からも、「同じ円の中」というCD的なモチーフを用いて〈逃げてみろよ〉と唱えるM6からも、どうしたって離れられないもの(彼にとってそれは「ヒップホップ」というカルチャーでしょう)への執着が伺えます。と同時にネオアコをぶち込んだりOzzy Osbourneをフィーチャーしたりと、現行ヒップホップシーンからの乖離を推し進めるような組み合わせも加速。今作での彼はどこにも寄りかかれない孤独感と、分断に橋を架けんとする英雄的行為の狭間で揺れている様に映ります。階段を駆け上がるようにリズミカルかつ流麗なメロディの健在ぶりはもはやアイデンティティを保つための祈りにすら感じられ、ポップでありながら恐ろしく不穏。