DaBaby『KIRK』

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「ちぎっては投げ」されない凄みが確かにある

 

 

 アメリカ、オハイオ州出身のラッパーによる6ヶ月ぶり2枚目のフルアルバム。


 Baby Jesus名義も合わせれば、ミックステープ含め13枚ものフルレングスを4年半と少しの間にリリースしているDaBaby。尋常でないペースにたじろいでしまいますが、前作で大ヒットした “Suge” に既に飽きている様子を見るに、面白いことは片っ端からやってみたい性分なのでしょう。しかも今の音楽シーンではその鮮度が長くないこともわかっている。
 そんなメタ視点は冒頭、全米1位の報と実父の死を同日に知り躁鬱を駆け抜けるM1から登場します。ホーリーなコーラスに載せたJonathan Kirk本人とペルソナであるDaBabyとの掛け合いはいきなりのハイライトでしょう。とはいえサウンドのスタイルは変わらず。鈍く弾むビートと細かいハイハットの組み合わせはハードでタイト。パーソナルな内容ゆえかこれまでの作品と比べてもシンプルな装いで、大きな発明はありません。しかしChance the Rapper、Nicki MinajやMigosなど過去最高のゲストを配しながらも通常運転を貫ける肝の据わりっぷり(頑固さとも言えるかも)は凄みかつ強みと言えるかも。